絶対軸馬研究会

雑誌『競馬王』で紹介された馬券理論『絶対軸馬』を研究するブログです。ブログのタイトルともなっている「絶対軸馬研究会」とは、考案者の米田氏の承認を受けて、絶対軸馬について研究しているチームです。日々の研究の成果、週末の注目馬、それ以外の競馬にまつわることなどを書いていきたいと思います。

マイルCSの裁決

現行ルールでは妥当!?
先週末のマイルCSは、浜中騎手によるゴール前の斜行で多くの馬が不利を受け、後味の悪い結末になりました。特にサトノアラジンやディサイファは3着以内に入っている可能性もあったため、この馬から馬券を買っていたファンからすると到底、納得のいかない結果だったかと思います。
ただ、その一方でミッキーアイルが強かったのも事実で、まっすぐ走っていても勝っていた可能性が高く、ミッキーアイルの単勝を買っていたファンからすれば、「勝つと思った馬が実際に一番強かったのに、なぜ外れになるんだ」「騎手のミスのとばっちりを馬券ファンが受けるのは納得いかない」という気持ちにもなるでしょう。
かつてカワカミプリンセスやヒシアマゾンで、降着によって的中馬券が紙屑になった経験をしているので、その気持ちもよく分かります。

2013年から導入された新ルールによると、

降着:その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」と判断した場合、加害馬は被害馬の後ろに降着となります。
失格:「極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせた」と判断した場合、加害馬は失格となります。

とあるので、これにならえば降着処分は難しそう。「被害馬がミッキーアイルに先着していた」とまでは判断出来ないからです。
処分があるとすれば「失格」となるのでしょうが、こちらも「極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせた」とまで言えるのかどうか。JRAホームページの解説を読む限りだと、よほどのことがない限り失格処分は下されなさそうです。
ですから、今回の「降着なし・騎乗停止あり」は、ルールに即した判断といえるでしょう。
ただ通常より重いとはいえ、実質8日間の騎乗停止という処分に対して、「やり得感」を抱いてしまうのも、ファンの偽らざる心境です。

ボートレースを参考に
こういう時によく引き合いに出されるのがボートレースです。ボートではフライングや出遅れで失格となった場合、関連した舟券はファンに返還となります。SGの優勝戦で1号艇がフライングすると、場合によっては売り上げの90%が返還なんてこともあります。それだけに罰則は重く、SGの優勝戦でフライングを切ると、1年間SGに出場出来なくなったはず。
不利を受けた馬の馬券を返還するのは不可能だと思いますが、出場停止に関しては一考の価値があるかもしれません。「やり得」が生じるのは主にG1レースなのですから、G1レースでの悪質な斜行などについては、向こう1年間のG1レースへの騎乗を認めないというのどうでしょう。
もちろん、短期免許の外国人だったり、そもそも滅多にG1に乗らない騎手に対しての実効性など問題点はあるかもしれませんが、現行制度を維持しつつファンの感情に配慮するのであれば、一つの落とし所なのかもしれません。

もっとも、降着があろうとなかろうと外れている馬券を持っていたからこそ、冷静にこんなことを言えるのかもしれませんが。。。